2010/04/09
さくら(お花見ガイド.jp)
 満開を迎えた後で冷たい雨と暖かい日が交互に続き、我が家のバルコニーの小さな鉢植えの桜も、何とかまだ散らずに残っている。それは小さな枝の先に付いた本当にささやかな花だけど、それでも青空をバックに控えめに咲くさまは健気で、かすかに漂う甘い香りが何とも心地良い。視線を下に落とすと、マンションの中庭の桜の大木は今年も豊かな花をたくさん付け、それが風にゆらゆら揺れるさまはピンク色の雲と見紛うばかりだ。遠くに目をやると、なだらかな丘陵には、白い花を枝に載せた桜が霞のようにあちこちに浮かんで見える。春の光を受けて白く輝く花々は美しく、この丘陵全体が生き返ったようだ。

 穏やかな休日の午後、バルコニーの椅子に腰掛けて、ボサノバなど聞きながらこの優しい春の風景を楽しむのは何ともゆったりするけど、今年は久しぶりに横浜の夜桜を見に出かけたいと思う。こんなとき、役に立つのが「お花見ガイド2010」サイト(http://お花見ガイド.jp/)。日本全国の1,400か所のお花見スポットを10地域に分け、それぞれの見どころや見頃、桜の種類や本数などの詳細情報を提供している。例えば、横浜なら「関東」から「神奈川県」を選択。すると「三渓園」が夜桜見物も可能で、桜は500本、JR根岸駅からバス10分徒歩7分だとわかる。最寄り駅の「根岸駅」のサイト(http://根岸駅.jp/)にアクセスすれば、駅周辺の様々な情報を得ることもできる。首都圏の桜は満開からもう散り始めているところが多いけど、「東北」や「北海道」はこれからが見頃。「お花見ガイド 2010」サイトを利用して、週末ごとに桜前線を追いかけて北上する旅をしてみるのもいい。

 僕はと言えば、その日の夕方、根岸駅の近くで妻の両親と待ち合わせ、三渓園に夜桜を見に行った。黒い夜空をバックにライティングされたピンクの桜は昼間の穏やかさとは打って変わって何とも艶やかで幻想的だ。夜になって吹き出した風の中、大池の周りを歩いていると、幼い頃に家族で近くの兼六園に夜桜を見に行ったことを思い出す。こうして四人で歩いていると、あの時のような錯覚に陥る。あの時僕の手を引いてくれた父は既に亡く、今一緒にいるのは妻の両親だったけど。暗い中に白い花びらが妖しく浮かび上がるさまは、暗い映画館のスクリーンに投影された鮮やかな光景のように、僕を惑わす。これはミラージュだと知りながら、こんな春の宵は、幼き頃の失われた思い出の中に、しばしたゆとうていたい。

(J)
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