2009/08/14
蒼と白の狭間で(myswiss.jp)
 目の前には、ゴツゴツした蒼い岩肌と積もった白い雪が逆行の中で輝いていた。晴れ渡る空の下、冷たく清らかな大気を通り抜けた陽射しは何とも鮮烈に肌を刺す。緩やかな斜面には一面の緑が広がり、白いワタスゲや黄色いセイヨウタンポポ、ピンクのアルペンローゼが一斉に花開いている。清らかな空気の中を甘い花の匂いが漂い、耳を澄ますとミツバチたちの羽音が聞こえる。そう、まるで天国はこうかと思わせるようなマッターホルンの中腹、清々しい標高2600メートル地点に僕はいた。

 ここ数年、海外といえば砂漠やジャングルが多かったけど、今夏は以前から一度訪れてみたかった、スイスアルプスに来ていた。事前の情報収集はスイス政府観光局の汎用JPドメイン名を利用したWebサイト(http://www.myswiss.jp/)で行った。ここではスイスの交通や天候などの基本情報に加え、宿泊予約なども行うことが出来る。

 スイスに来て驚いたのは、クルマ、お店などいたるところにURLが記載されていること。しかもその多くがスイスのccTLD(国別トップレベルドメイン)「.ch」だ。人口は750万人と少ないながら、「.ch」の登録数は130万件と日本のccTLDである「.jp」に匹敵するだけあって、街のいたるところに「.ch」が誇らしげに踊っている。通りの建築現場の囲いには、企業名ではなく「http://www.○○○.ch」とURLのみが大きく記載されている。まさに「続きはwebで」ということらしい。

 今、ここから眺めているマッターホルン北壁の頂と、標高1600メートルの麓の村から眺める頂とでは、大きさはもちろん形も違っていることに気付く。思い起こせば、3900メートルのK展望台から見た姿も全く違った。それは絵に描いたように綺麗な正三角形だったり、上が四角い無骨な岩山だったり、漢字の「山」みたいな3つの岩の塊にも見えた。それぞれの方向、高さ、近さから見る頂は全く別のものだった。そう、「.jp」のサービスも同じかもしれない。ユーザーそれぞれの立ち位置によって、その印象は違ってくる。‐誰にとっても使いやすく価値の高いサービスを提供しなければ。‐そんなことを考えつつ、今ひと時は清々しい空気の中で鮮烈な陽を浴び、身も心も綺麗に洗い流してしまいたいと思う。

(J)
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